※暗殺チームのみなさんが容赦なく虫の話をしておりますので、苦手な方はお控え下さい。



男はいつまでたっても少年です

「なあプロシュート、ガキの頃ってカゲロウの足を一本一本引きちぎったりしなかったか?」
「それはねーが、ダンゴムシを火で炙った事ならある」
「虫じゃねーけどよォ?おめーら知ってっか?ナメクジってビールに入れっと溶けるんだぜ」
「でっかい毛虫ってさー、断末魔でさー」
「飯食ってる時にやめろてめーら!」

がしゃん、とシルバーの音が響き、順にメローネ、プロシュート、ホルマジオ、ジェラートが振り返った。
見れば、青くなったイルーゾォが口元を押さえている。

「なんだいるーぞ、ムシきらいか?」
「好きとか嫌いとか!飯時にする話じゃねーだろ!」
「オレはもんじゃ食ってる時にゲロの話しされても平気で食うけどなァ」

同意を示す相槌がそこかしこから聞こえ、イルーゾォはまったく信じられない気持ちになった。
こういうのは嫌いだろうと思ったギアッチョですら黙々と食事を続けている。

「オレガキの頃にさ、カブトムシだと思って虫飼ってたんだけど」
「ジェラート、それオチ読めるしー」

他の事に、例えば目の前のうまそうなニョッキに集中して会話を耳に入れまいとうつむいて食事を続行しようとしたイルーゾォだっかが、しかし

「それがゴキブリでさー!」
「ギャハハハハハハやっぱりー!」
「メスだと思ったんだろ、おま、ゴキブリ飼うとかマジ!」

この世で一番疎んじている虫の名前を出されて水を吹いた。
極力目にも入れずに、姿を記憶から抹消したいと思っているにも関わらず、脳裏にしっかりと現れる姿に最高に気分が悪くなる。

「そーいやさっきのマジ?ナメクジにビールって溶けんの?」
「そう、ばあちゃんが山程瓶に入れててよォ、それを一匹一匹…」
「ホルマジオまで!やめてくれ!食欲がなくなる!」
「ハハハ、繊細だなァいるーぞは。女の子みてえ」

揶揄してくるメローネを睨むがまったく効果はなく、「いらないんならもらう」と中身が大半残った皿を奪われそうになる。

「ニョッキってカブトムシの幼虫に似てねえ?」

そんな軽口を叩きながら、しかもゴルゴンゾーラソースのニョッキをひとつ口に入れるメローネを信じられないものを見るような目で見つめ、イルーゾォはテーブルに突っ伏した。
見かねたリゾットがイルーゾォの肩を叩き、やめるように周囲に言うと、間延びした返事が響く。
ほっと息をつくと、口をきかずに黙々と食事を続けていたギアッチョが、食べ終わったのだろう口元を拭いながら席を立った。
ぼそりと呟かれた言葉を聞き返すが、足早にリビングを後にされる。

(逃げるんなら、今のうちだぜ)


「じゃあ食える虫の話をしよう!カース・マルツゥ食ったことある人ー!」
「蛆入りチーズじゃねーかァアア!!!」

再三イルーゾォが叫ぶが、盛り上がるチームメイトを止めることはもう出来ず、冷め切ったニョッキ・ゴルゴンゾーラはメローネとプロシュートの腹に収まる形となったのだった。





BAD END










ほんとうにごめんね…!
おわかりかと思いますが、わたしはそれはそれとして平気で食うタイプです。